近代氷事業のパイオニア 函館氷・中川嘉兵衛
ボストン氷や天津氷に対抗して誕生した函館氷
幕末開港時から天然氷と取り組んだ日本人が中川嘉兵衛です。横浜開港を知った中川嘉兵衛は異人相手の商売を志し、横浜に移り住み、さまざまな西洋文化に邂逅します。
42歳の時、横浜開港のニュースを聞き、国際化の時代の到来を察した嘉兵衛は、横浜に移住。初代英国公使・オールコックのもとでコック見習いとして働くうちに、西洋の食文化の普及、流行を予感し、牛肉と牛乳の販売店を開業しました。
牛肉と牛乳を取り扱う上で、腐敗防止や品質保持は課題でした。嘉兵衛はヘボン式ローマ字の創設者で医師のヘボン博士に会い、食品衛生における氷の有益性を教示されます。こうして、氷のニ...