画像: カレーですよ4600(千葉検見川 シタール)見学、タンドール設置。

カレーですよ4600(千葉検見川 シタール)見学、タンドール設置。

少し前に知り合い仲良くなった、大阪のタンドール職人がいます。神田川石材WESTの原さん。神田川石材商工は、ご存知日本製タンドールの老舗にしてインド人も信頼を置く高性能で鳴らしたタンドールのメーカー。その関西のブランチを代表するのが原さんです。
カレーですよ。
彼が夜行バスに乗り込み東京へ向かっていることをSNSで知ったんです。どうやら東京の神田川石材商工の助っ人仕事らしい。何とは無しにピンと来て聞いてみれば、案の定の現場は検見川。そう、千葉、検見川です。あのお店にタンドールの設置をするそう。
タンドール設置工事の現場なんて見たくてもそうそう見られるもんじゃないです。よし!行ってみよう。増田社長にお願いしてみよう。千葉、検見川の老舗、
「印度料理 シタール」
に向かいました。
現在シタールは店舗の建て替えのため、旧店舗時代から使われていた駐車場の手前に仮店舗(という名前では呼べぬ立派なものなんだよ)での営業をしているんです。旧店舗では建て替えの真っ最中。
もう上屋は形も出来上がっていて、これから内装に入る感じです。外を通りかかったひとたちがみんな気にしては見ていきます。人気店だもの。
そんな流れでご許可をもらって店舗の建て替えを行なっている真っ最中の現場におじゃまをしました。
久しぶりの原さんの大きな笑顔と握手に迎えられて感激、嬉しさがこみ上げます。なにしろ彼とはポータブルタンドール仲間。いろいろつのる話もありますが、まずはお仕事を邪魔しないようにしないと。
現場ではボクの中ではもう雲の上の人といってもいい、秋葉原、神田川のほとりにある神田川石材商工の代表が自ら現場で手を動かし、大きなタンドールを2機、設置作業をしていらっしゃいます。うーん、なかなか見ることのできない光景にしばし興奮。
美しくきめ細やかなテクスチャーのタンドールのスリーブ、クリーム色の柔らかな印象ですが、これがね、300度を大きく超える温度で機能するわけですよ。輝くステン容器に収められ、周りを固められるのをじっと待つタンドールを見るのはなんとも感慨深いものがあります。
2019年3月7日のグランドオープンでも、その後3年、5年、10年経ったあとも、度々シタールのナーンやチキンティッカを食べるときにいつでも必ずこの光景を思い出すのだろうなあ、と思うと胸にグッとくるものがあります。
とにかく細心の注意を払い、お邪魔にならぬよう見学をさせていただきました。
なんだか緊張で現場を離れると一気におなかがすきます。もちろんそのまま仮店舗、シタールβの店内へ移動して食事とするつもりでありました。
さて、14時近くでも満席という、立地や周辺を考えるとありえない状態がここシタールではままあることなのです。それも重々承知しているのでおとなしく列の後ろに。とはいえ椅子があって防寒暴風のビニールカーテンもあって快適な行列。
待っているとシタールの増田社長の奥様、静枝さんがお出かけから戻られた様子。娘さんや広報さんもご一緒です。いそいで出て行ってお声をかけて。しばし楽しくおしゃべりです。彼女の熱量やいたわりは本当にいつでも敬服させられます。愛があるなあ、と強く感じるその言葉や行動は魅力的です。順番を待っている間の心温まる時間でした。
さて、順番がやってきました。ちょいと遅めのランチ、注文は、
「タンドリーランチセット」
いつも代わり映えしないおんなじものを、と言われてもこれをも頼んでしまうんだよね。だってこれ、好きだから。
カレーもマトンをいつも通りのチョイスでメニューも見ずに注文します。
今日は遅い時間になってしまったのでごはんはバスマティがなくなってしまってましたが、ジャポニカ米を選ぶとこちらはまた日本のお米の良さを堪能できる楽しい体験になるのです。どちらも試して欲しいですね。
さあ、カレーです。
マトン、感銘深いなあ。何度かよって何度食べても、辛くて、強くて、シナモンとクローブがふわりと香ってなんともはや美味しい、たまらない、クセになるカレーです。きちんと辛くて、スパイスも力強くて苦味のアクセントもうれしい、爽やかな大人味。
うん、やっぱり気分良いねえ。こういう強い個性があってなおかつバランス素晴らしいこういうカレーは探してもそう多くは見つからないと思います。ガツッと印象に深く残る味で大変に良いもの。ああ、やっぱりこれでよかった。
久しぶりのシタールのタンドリーチキンも大変な美味。このタンドリーチキンはいつもオリジナリティを感じるなあ、と感心する味。
イメージする赤くてよくある味のあれよりもローストチキンに近い穏やかな味に仕上がっていると感じます。スパイスか心地よく効いているけれど、とげとげしさがないんだよ。そうそう、驚くかもしれないけど、 タンドリーチキンにテーブルの野生黒蜂蜜を使ってみるとおもしろんだよ。ナーンに少しつけて、タマネギアチャールも添えて、タンドリーチキンを乗せて食べるんです。目からウロコの美味しさになるんです。かけすぎてはいけないんですよ、ほんのちょっとだけね。
それとナーンはカレーに浸すのもいいけれど、テーブルの甘いチャツネを乗せて食べてみて欲しい。これもいいので。野菜とアチャールを挟んで食べるのも野菜のサンドイッチという感じでおすすめできます。
そう、テーブルのカスタマーセットの中にいくつかある調味のためのアイテムは是非体験してほしいものばかり。甘いチャツネはクラシックでとても良くて、これはいつもカレーのターリ盆の上に少し添えてナーンやカレーに合わせるとうれしいやつ。
野生黒蜂蜜も本当に素晴らしいんです。チャイに入れるとマイルドな甘みでチャイのお代わりが欲しくなる危険アイテム。玉ねぎのアチャール、このスタイルのものはインドレストランで出てくるアチャールの基本なんですが、シタールのものはやっぱりシタールの味がするんだよね。それがおもしろい、うれしい。柑橘の酸味が強めで爽やかに仕上げてあるんです。
さて。
おいしい食事を終えて、おいしいカレーでお腹いっぱいにして、だけど、いまは冬。
それで終わりで帰れれないのがシタールなんだよ。忘れちゃダメだよ。
タンドRINGO。
ご存知の、やはりどうしても素通りできないデザートの銘品です。
インドの土釜、冒頭でも出てきた神田川石材店の高品質なタンドールを使って遠赤外線効果でくったりするまで焼きあげた、信州駒ケ岳のなかひら牧場のりんご。それが冷えるのを待って、力強いのに不思議とクセがない、凄みさえ感じるあれ、インド産野生黒蜂蜜に漬け込まれるわけです。
アイスクリームとともに供されるそれは、口に含むとうっかりふた口目を口に運ぶことをしばし忘れるような素晴らしい味。香り。うっとりとしてしまって、体が固まって動かなくなるんですほんとうに。
簡単には使いたくないエクスタシーという言葉を使わざるを得ないすごいものなんです。
敢えて言いたい。スイーツ関係の人でこれ食べてない人は、手落ちとしか言いようがないよ。
こんな焼きリンゴにはほかでは出会えないのだから。
そんな甘い時間をひととき過ごしていると、増田社長がいらっしゃいました。
「お時間、もう少しあるのでしょう?」
とうれしいお言葉をかけていただいて、おしゃべりタイム。
建て替えももうすぐ終わる店舗のこと、タンドールがなぜ2機なのかということやその左右が別サイズであることの理由、貿易のお仕事の話など、興味深い話題が続きます。
話しの中に出てきた、半年ほど前から扱いが始まったカシューナッツ、ココナッツオイルなどを試食させてもらったんですが、ちょっと驚く高品質。それを市場価格を大きく超えぬように調整して輸入販売をスタートしたそう。シタァルセレクション(貿易部門はシタールではなくシタァルの屋号です)とでも言うべきアプローチで、インド料理、その他の料理の質を原材料から変えてゆき、料理、食べ物の質の底上げをしてみたい、とおっしゃる。大いに頷けます。
時代的には日本のインド料理は普及期のフェイズを終え、より良い品質と美味しさにシフトしないと数ある料理のジャンルの中で沈んでしまう可能性もあると懸念するところもあります。こういうことを考え実行する増田社長はとても頼もしい。
お話を伺いながら少々のぼせ気味になった頭でご挨拶をして、お店を出ました。
シタールというお店。
料理の質、味。気遣い。なにより増田社長の意向というものがスタッフの皆さん全員にきちんと伝わっていて、増田さんが店にいても、インド中央部へ蜂蜜やマンゴーのお仕事に出かけていても、なんら変わりなく気遣いをくださり、優しくしていただけるんです。なんだろうこの快適な居心地の良さは。まるで増田さんがいつでも店にいて全体を見てくれているような心地よさがあります。驚異的なレストランだと思うよ。こんなお店はなかなかないと思う。
インドレストランという狭い範囲の中においておくのはもったいない、「こころのよりどころにできる良いレストラン」なんです。だからいつでも帰るときに同じことを思います。また来たい、ゆっくりと長く居たい。
もうすぐこの仮店舗ともお別れ、3月の初旬には建て替えが済んだ新店舗、長くその場所にあるシタールの新しい歴史がスタートします。
楽しみに待っていようと思います。
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