画像: カレーですよ4347(札幌山の手三条 gopのアナグラ)神々の時間。

カレーですよ4347(札幌山の手三条 gopのアナグラ)神々の時間。

感銘を受けた店が札幌にあります。
すごい店、すごい味。
いや、すごい店主だった。なんと言いましょうか、忘れ難い。
カレーですよ。
なんだかんだと手ぶらな感じ、準備不足な感じ、いや、わざとなにも準備しないで北海道にやってきました。いえ、装備品ではなくて、情報のほうね。わざと、というところもあります。
初めからご縁に恵まれた旅でした。
千葉、検見川のシタールに寄って増田社長から十勝しんむら牧場を紹介していただき、天塩町で齊藤副町長にたくさんの方を紹介していただいて。
そして札幌。スパイスビーチの玉木さんにお会いしたくて連絡をしました。
玉木さんは北海道、札幌スープカレー界にこの人あり!のスパイスビーチ編集長。スープカレーのフリーペーパーを長く続け、道内のスープカレー文化の啓蒙と発展を担っているすごい人。東京でも何度かお目にかかっていました。
運よく時間を取っていただて、お連れいただいお店がすごかった。
そのお店の名前が、
「gapのアナグラ」
といいました。
札幌スープカレー界のレジェンドが店主を務める店です。
札幌スープカレー、もう本当に驚くべき拡大とかったるジャンルとしての確立を叶えたスープカレーという食べ物。カレーというジャンルの中のブランチという考え方はもうしないでもいいのではないかとも感じるほどの大きさを感じています。
そんな札幌でスープカレー店を営む名だたる店の店主たちが自分の店を抜けてここにやってくるという、その筋では有名な特別な場所。それがここ「gapのアナグラ」です。
手作り感溢れるコンパクトな店内は照明が落としてあって居心地がいい。落ち着いた濃いブラウンの内装にたくさんのサインが書いてありました。そんな風格がある店内で、マスターの信さんはカウンターの中からお客さんに気軽に声をかけてくれます。
さてカレーの注文。ここはオーソリティである玉木さんにお任せすることにしました。
たまきさんとおしゃべりを楽しんでいると、見たことがないビジュアルのスープカレーがやってきました。
野菜はなし。入っていません。スープと大きなチキンレッグだけ。
あ、これってあれだ、きっとラーメンのネイキッドと同じ考えなんだ。玉木さんが「あえて」と説明してくれました。後入れの野菜をあえて外して純粋にスープの旨味を味わって欲しい。そういう「あえて」なのだそうです。これは真剣勝負になってきたよ。
ごはんにはどうやらキーマカレーが添えてある様子。
辛さはボクは30倍。玉木さんは自分のラッキーナンバーだという111倍に。ええ!100倍越えってもうよくわからないってば。玉木さんからさっきの「このカレーはスープを純粋に楽しむべきもので、野菜などを入れるとどうしてもそちらの旨みや味が入るでしょう?そうではない状態でまず食べてほしい」と再度一言。「それに辛さをバランスさせると本当にその美味しいスープが引き立つから111倍も絶対たべてほしい」というサジェストも飛美ます。これは楽しみになってきたぞ。
まずは30倍。
おや?あまり辛さは強く感じません。滋味深いスープの旨味が強く感じられます。いやこれはたしかにうまい。えらくうまい。うまいなあ。材料がきちんとしていて、そこにちゃんと手がかかっているのがバイブレーションとして伝わってくるんですよ。シンプルながらも素晴らしい味。これは美味しい。
さあそして111倍。
玉木さんが「もし良かったらこっちを食べてほしいので」と、満足するボクの手から30倍を奪ってゆきます(笑)あああ、それおいしいのになあ。では、とちょいと緊張しながらひと口。
111倍。これが大変なものだったんですよ。辛い。辛いんですが、意地悪な辛さでは決してないな、これは。心躍る、とでも言いましょうか、なんというか食べればひとくちで理解ができるんです。これは、このスープは辛いほうがいい。そして食べる側のマイスターである玉木さんの言葉には真実があったわけです。これは本当にうまい。例えてみれば、東京湯島のデリー。あそこのカシミールに近似性を感じる辛さの方向と度合いなのですよ。味はもちろんどちらの店も孤高のものでありトップであるから別のものなのはもちろんです。ただ、強い辛さでしかも美味しい味にバランスさせている繊細さ、職人技の部分に強い結びつくを感じずにはいられないもの。鬼気迫るというのはこういうものなのかもしれません。これはまったく素晴らしいものだよ。
そしてごはんの側にあるこのキーマカレー。
これにもう一度やられるわけです。
これ、驚きのマトンキーマ。マトンの香りがまったく言葉にできないほどの素晴らしさ。甘みとスパイスの強さ、マトンの挽肉の上品な香り。この肉の「匂い」ではなく「香り」がとにかくすごかった。なんでこうなるの?という香りです。肉の臭みではなくて肉ってこんなにいい匂いのものなんだ、という異次元体験。この体験はなかなか欲しても手に入るものではないでしょう。
あと数口になってくると食べ終わってしまうことに泣けてくるようなカレー。こんなの初めてだ。
このふたつを交互に食べるわけです。とんでもない体験、なんともはやミラクルなメニューです。
食べ終わって落ち着いて、マスターの信さんも交えて3人で遅くまでおしゃべりをしてしまいました。
もう本当に、なんという贅沢な時間だったのだろう。玉木さんの情熱あふれる取り組みにほだされ、信さんの奥深い愛情と豊かな感性に、波にさらわれて溺れるような気持ちになりました。
なにも気がつかないまま、自分がどんなすごい場所にいるのかさえ理解できないうちに、うっかりと札幌の神様が手を動かして作ってくれたカレーを食べてしまったらしい。そして神様たちと友情をかわしてしまったわけです。大変に困った夜になったなあ。
こんなにさりがたい店はなかなかありません。
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