ゴハン屋さんへ行き、コースもアラカルトも選べるとき、「コース」か「アラカルト」。どちらがよりグルメか?という話題になったことがある。お店のことを考えたら「コース」。お寿司屋さんの「おまかせ」が、実はお好みよりも美味しいものが食べれ、それが明らかに正解であるように、「コース」(おまかせ)のほうが、美味しいものが食べれる気もし、コースこそグルメな気もする。だがそれは、寿司屋での話であって、寿司屋以外での、コースかアラカルトかは話しが別。お店のことも考えつつ、無駄のないセレクトが出来る自信があるなら、アラカルト!を選べるのが本物のグルメだと思う。しかも無駄なく、食べたい物を、いい感じで頼める人こそが。自分のお腹具合や、ポーションを加味したバランスというのは難しい。よく、フレンチのコースで、メインに行く前にお腹いっぱいで、せっかくの高級肉を、半分残す、または無理矢理食べることがある。そうはならないよう、まずはこれでと「様子を見る」余裕も大事だし、見栄を張ることなく、最後まで美味しく、必要以上の満腹に途中でならずに食べ終えられるのが、あるべきグルメの姿だ。そういった意味で、この店で、程よいバランスで〆のご飯まで行けることは、極上の幸せであり、グルメの証かもしれない。カウンターの右奥が落ち着く。アラカルトで、どのように構成するかを、早めに店に到着して、相手を待ちながら考えるのは、実に楽しい時間だ。料理はどれも、めちゃくちゃ美味い。特に写真(上)の、フォアグラのコロッケは、半分に割って皿にもってくれる。そして、写真(下)の香箱がには、時期ものだが、これが泣ける美味さ。蟹というのは、人を幸せにしてくれる。もう少し、あと一口食べたいと、殻の奥のほうを、箸で、なんなら小指で、こそげるように、まさに舐めるようにいただく。それぐらい美味い。世の中にこんなに美味いものがあったのか。秋元康さんの名著のタイトルだが、この店の香箱蟹を食べると、必ず、誰もがそう思うと思う。店の人の客との距離の取り方も絶妙だ。つかずはなれず。聞けば答えてくれる感じ。こっちはデートで必死に口説いてるのに、その会話をさえぎるような説明は要らぬときがある。そこを察して、空気を読みながら料理をさっと出し、こちらの間ができ、知りたそうな顔したら教えてくれる、あのニュアンスは、とっても高度だが、この店はそれをさらりとしてくれる。仮にこの店のあと、相手と何もなかったとしても、地団駄を踏むほど高くはないのもいい(笑)。デートにおすすめしたい。
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