画像: 2016夏の京都(11)出町/懐石「弧玖」

2016夏の京都(11)出町/懐石「弧玖」

昨年2月に、大好きだった桜田さんが閉店なさって「もうあんなに端正で素晴らしい料理を出しながらも、しごく良心的でまっとうな店は他に思い当たらない・・・」ととても悲しく思っていました。若女将が妙心寺退蔵院の松山大耕さんに嫁がれることになり、父である桜田さんはリタイアを決意されたと聞いています。ちなみに副住職である松山さんは、東大大学院卒で著書も出されていて アグレッシブに活動されている話題の方です。
その桜田で長年腕を磨いてきた前田さんが独立されたお店が出町の「 弧玖(こきゅう)」 です。宣伝もせず、ひっそりとオープンしたこの店のことを表参道の「御料理武蔵野」の大将に聞いて、いてもたってもいられずすぐに訪問を決意。オープンから少したった頃だったでしょうか。京都の友人たちと昼に訪れましたが、すべてにおいて大満足! SNSにもブログにも書かず「ナイショにしとこ」とみんなで誓ったのでした。
けれど美しいたたずまいの店内、感じのよい大将、料理のすばらしさ・・・特に昼は圧倒的なCPですからリピートする客があとをたたず、結局すぐに人気店に。比較的夜のほうが取りやすいようですが、7月末ごろ運良くお昼がとれたので京料理は久しぶりの母と伺いました。
虫籠で出される前菜。桜田さんでも確か・・・?そんな覚えが。しっかりと濃いめのだしで、大将の若さをいい意味で感じられるお椀も好きです。
と、ここまでも充分きれいな御料理をいただいているのですが、なんといってもこちらは八寸! 手の込んだ美しい盛り合わせに感動しない人はいないはず。祇園祭りのさなからしく長刀鉾の器に、気分も上がります。上がりすぎて、写真を撮り忘れました(汗)
半年ぶりくらいに来たのに、よく覚えてくださっていて一番良いお席に。目の前でアートのような一皿が完成していくのをじっくり拝見。聞くと大将、やっぱり学生時代は「美術」が得意だったそう。単に学んだからというのではなくここまでできるのは元々のセンスが違うのだと感じます。
八寸は取り皿に好きに取り分けます。これもまた楽しい!炊き合わせのあとのごはんも白ごはんでよいものを、また丁寧に・・・。私はこういう店に心底、すごいなぁ、偉いなぁと感動を覚えるのです。このお値段でそこまでせんでも・・・と思えるくらいやってくれる、そんな店を尊敬します。食材ではないです。心意気と料理の丁寧さです。
最高の食材を仕入れて腕のいい料理人が調理すれば、素晴らしく美味しい料理になると思います。ならないほうがおかしいです。でもその分、値は張ります。特に蟹の季節など、びっくりするほどお高くなる店も。私の食い意地はほぼ好奇心からきているので、そういうところは「知る」ために一度行けば満足なのですが、行きたくても予約もとれない現状・・・「いつとれますか」と店にお伺いをたて、何ヶ月もあるいは1年以上も先の予約を、やっぱり取るべきなのでしょうか。 うーん、そこまでしてと思ううちに熱が冷めてしまう私は、さほどグルマンではないのかもしれません。
弧玖の名物ともなっている、最後のお肉。おつけもんと一緒に出される、このほんのひとくちのお肉が最高に嬉しく、美味しい「サービス」です。こんなしょうもないもん出すくらいやったら要らんのに、と思うくらいごはんに添えるお漬け物に気を抜く店が多いだけに、〆のここは私にとって非常に重要なポイントです。
ちなみにこれ↓は前回、秋のときの八寸とお漬け物です。こんな凝ったもん作って、今年はどうしはるんやろと心配してしまいます。
はじめは「感動」を与えてくれたお店が、いつのまにか店を広げたり、規模を大きくしたりして変わっていってしまった例がいくつもあります。随所に感じられるパワー、若さ。それがとっても気持ちよくて、これからがますます楽しみな弧玖さん、一度きりじゃなくずっと通うから・・・変わらんといてねと思います。
今月末もまた帰ります。分刻みで予定が入っていきます。胃の休む間は全くなさそうです。ええトシしてアホやろ?・・・アホです、たぶん。

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