たまに休日に浅草に行くのが好きだ。初めて上京した頃のことを思い出せる。初心に戻れるというのか。上海蟹が美味い季節、栖原さんが上海蟹で美味そうなメニューを出していると聞きつけ、行く。お目当ての上海蟹メニューの前の前菜も、栖原流エッジの効いた料理が次々と出てくる。例えば揚げ春巻きは、漆黒の大きな皿のセンターに、黄金色に揚がったカリカリのが並び、周りにオレンジ色のカラスミが綺麗にふりかけられている。熱々を頬張ると、それはキャベツの春巻きだ。キャベツの芯がこんなにも甘くて美味いのかと驚く。さらにカラスミの海の香りが深みを与える。白子麻婆は、豆腐の代わりに鱈の白子。赤と白のコントラストが麻婆豆腐と同じなのだが、食べたときのインパクトは豆腐の数倍。ありそうでなかった。意表をついたメニュー。そして、お目当ての上海蟹のあんかけご飯(写真)は感動もの。上海蟹の身と内子(オレンジ色の受精前の卵)、さらにそこに毛ガニの身とフカヒレが入り、聞けば少量の砂糖が美味さを引き立てるそうな。この上海蟹のトロっとしたあんが、パラパラほくほくのジャスミン米にかかってる。ジャスミン米の香りと上海蟹の香りが不思議なくらい合うい、パラパラの米によく絡む。〆の肉まんも秀逸だった。コースのみ。デートのほか、ファミリーにもオススメ。
This article is a sponsored article by ''.